堤 未果さんの講演会

10年12月18日 | とし子からの手紙

堤 未果さんの講演会へ出かけた。彼女は一度は会いたかった人の一人だった。

小柄で背筋をきちんと伸ばして、たゆみない言葉で語る。論旨の明快な話だった。賢いステキな女性だった。

アメリカの貧困の現実がリアルに語られるのだが、それは日本のリアルタイムの話であった。

国がナショナルミニマムを投げ捨てたとき起こる教育や医療や福祉、子育てなどの分野で起こる格差の拡大の様子がわかりやすく話された。

「テロとの闘い」を口実に軍事費は年間50兆円!?当然どこかを削るわけで、公教育、福祉、医療雇用、子育てが投げ捨てられた・・・。市場化は利潤追求を求め、戦争さえ「市場化」され、イラク戦争は終わったとおもっているひとが多いが、軍を引き上げた変わりに、派遣会社からの傭兵や社員は政府と契約して2倍になった・・・。軍のリクルーターがいう・・・「アメリカに徴兵制はないが、格差社会をつくって貧しい階層を作り出すことで事実上の経済徴兵制が機能している」と。就職できないこどもたちが軍の甘い言葉に乗せられて戦場へ連れて行かれているのだ。

大学の授業料は高く州立大学で300万円の借金・・・、日本でも給付制の奨学金が廃止され、教育ローンが「産業」になっている。

日本では保育の新システムが民主党政権から提案されているが、市場化を許してはならない!との話に納得!アメリカでの保育の市場化は人件費と食費を削る中で子供の健全な成長を奪い、女性の働く条件を奪った。

オバマ政権に変わったが、生活は良くならない。人々はリーダーに丸投げしてはいけないことを学び、憲法に照らして今の政治を考え、地方から政冶を変えていくことに取り組み始めているという。

人が強くなるときは、真実を知ったときと自分の町に誇りを持ったときだ・・・。こどもたちには「あきらめない大人」がいることが希望である・・・とのメッセージはステキな言葉だった。

行き詰まり感のある現代において、元気をもらえた講演会だった。

私もあきらめない大人の一人としてこれからもがんばろうと思う!久しぶりの出会いもうれしい集いだった。