介護保険制度の「罰則」!?は非人道的

10年12月11日 | とし子からの手紙

岡山市の介護保険料は高い。国保料も高いが介護保険料も政令市中3位の高さだったと記憶している。

年金生活者の暮らしを社会保険料が圧迫していることは明らかだ。共産党の生活アンケートによせられた声は、国保料や介護保険料を下げて欲しい!!という切実な声である。

Aさんのことを話そう・・・。11月議会で私が本会議で取り上げ、これでいいのか!!と詰め寄った人の事例だ。

77歳のAさんは、若い頃は懸命に働いてきた。夫と二人暮らし。二人とも無年金である。無収入でささやかな貯金をとり崩してつつましく暮らしている。岡山市の介護保険料は無収入でもひとり月2380円である。これ以上の減免制度はない。70歳までは何とか払ってきたが、国保料1500円余を払うのが精一杯で介護保険料を滞納してしまった。払いたくても払えなかったのだ。

嫁に行った娘さんにも相談できなかった。そして、最近遂に脳梗塞で倒れた。重い障害が残り、介護度5と認定された。滞納があるとわかり、娘さんは2年分をさかのぼって払い、今後は自分の口座から引き落とすように手続きをとったという。

これだけの対応をしたにもかかわらず、岡山市はAさんに、「滞納があるので国のルールに従い2年間は7割給付」という罰則を科している。

介護度5のAさんは、介護施設にいくと月10万円を超える負担を負うことになる。滞納した5年分の保険料は142800円だが、それを払うことを許さない仕組みである。今後の利用料は3割負担なので、「2年で約240万円の利用料を払わなければならなくなる」とAさんの担当ケースワーカーは話していた。もちろん保険料は月々2380円を払う。

国保制度では、2年分の保険料を払えばなんの罰則もない。高齢者いじめの介護保険制度の姿をまざまざと見せ付けられる思いである。改善が必要である。今のままでは10年前の指摘どおりで「保険あって介護なし」である。

1、そもそも払える保険料ではない。1000円だったら滞納しなかったかもしれない・・・。無収入で2380円は高い!(来年はさらに値上げの検討の方向が心配)

2、分納の親切な対応を料金課がした形跡が感じられない。(岡山市は保険料を決める課と料金を集める課が分かれている。全国で岡山市だけ。高谷方式)

3、利用料減免制度もない。

Aさんと同じような人(1年以上滞納で罰則の3割負担)が市内に78人おられるとのこと・・・。私は、「あまりにも冷たすぎる。こんな岡山市でいいはずがない」と指摘して、是正を強く求めた。声なき声をキャッチして私はこんな理不尽はないと胸の中に怒りのエネルギーがいっぱいになった。議論のなかで、当局は「問題意識をもって政令市の中でも議論したい」と初めて答弁した。

来年は制度見直しの年だ。市民の実態をふまえた議論が大切となる。制度改善までAさんの家族が追い詰められないように私は寄り添いサポートしたい。

保健福祉委員会の最後に議論された年金者組合から出された請願は、3件とも不採択になった。無年金者への対策や後期高齢者医療制度の廃止などを願ったもので、共産党は採択を主張したが公明党や保守系議員の反対によるものだ。「消費税によらないで・・・」とした内容に反対・・という議員が多かった。

無年金者の声を反対した議員たちは聞いていないのだろうか。全国で118万人といわれる無念金者の暮らしの実態にたつ主張ができる議員を市議会で増やしたい!!と痛感した次第である。

保健福祉委員会は18時30分まで続き、気力の論戦でさすがに疲れた10日でした。