坪田譲治文学賞と市民の童話賞の授賞式

09年02月22日 | とし子からの手紙

dscn0341.JPG坪田譲治文学賞は24回を迎えた。

今年の受賞は、瀬尾まいこさんの「戸村飯店 青春100連発」。

あわせて、市民の童話賞の授賞式もあった。

岡山市の「文学」の土壌は、読書環境にある・・・と私は考えている。小中学校には、学校図書館司書があたりまえのようにいて、こどもたちの読書意欲を支えている。生きるのに迷ったとき、出会った本で道を見出したという人はおおいと思うが、「生きる力」を育むのが、読書だ。

今の時代を生きるのに、「想像力」は大切である。受賞式に参加して、本を読みたくなった。

選者の評は、実におもしろかった。

「しっかり推考してほしい。本をたくさん読んでください。・・・夏目漱石の原稿を読むと、推考のあとが良くわかる。原文が書き換えられた足跡です。なんども繰り返しよんで、直す・・・。漢字を書いたり、読めなくても総理大臣にはなれますが、作家にはなれません。・・・」

「政令市を機に、この賞の裾野を広げてはどうか・・・」の提案も・・。

かつて、私は「作品」を市民の童話賞に出したことがある。それは、稚拙なもので、とても「文学」とはいえないものだったが、諫早湾に視察に行ったときの衝撃と悲しみと、まだよみがえらせることをあきらめない・・・という思いを「ムツゴロウ」の家族とおじいさんのかかわりで書いた。

もちろん予選落ちしたが、「感じた」ときや伝えたいことを文章にしてみたい・・という土壌は、市民の童話賞や坪田譲治文学賞が培っているものではないか・・。

「本があって人がいて」という読書環境は岡山市の宝である。