立命館国際平和ミュージアム

09年02月8日 | とし子からの手紙

dscn0321.JPGdscn0320.JPG京都の立命館国際平和ミュージアムは立命館大学が運営している。入り口にビキニ環礁で水爆の犠牲となった久保山愛吉さんと妻のすずさんが愛したバラの苗が植えてある。入るとすぐ「ガザ攻撃」緊急展示のコーナーが目にとびこんできた。

立命館国際平和ミュージアムは世界初の「大学立の平和博物館」である。コンセプトは、「平和創造の面において大学が果たすべき社会的責任を自覚し、平和創造の主体者をはぐくむために設立した」とのこと。行政は、観光パンフに載せるとかの間接的かかわりのみで財政的補助はしていない。

年間経費早く6000万円、民間助成が2000万円と入場料1000万円(大人400百円)が収入であとは大学が持ち出しで運営している。専任は4人、学芸員1人、他6人のスタッフ。

展示は、時代を追って展示されている。特徴的な視点をいくつかあげてみる。

視点は、第一に被害だけでなく加害の視点も事実に即して展示され、「侵略戦争」や「強制連行」のことも考えさせてくれる。「悲惨」だけでなく社会のしくみとしての戦争を視点をかえて考える展示は興味深い。

第二に、日本国内でも戦争に反対した人々がいたことを知ることができる。

第三に、戦争責任について考えさせてくれる。日本の南京虐殺、アメリカの原爆投下、ソ連の強制労働など、各国の視点で考えさせてくれる。

高杉館長は、「これから・・・」を大事にしたい・・・と話した。個人だけでなく、集団として、社会としての記憶にして「語り継ぐ」ことは大切だ。さらに、これからどの方向に向かうかが大事。戦争だけでなく、たとえば「貧困」のことを戦争との関係で考えるというような視点もいるのではないか・・。そして、自分たちに何ができるかを考えるような動機ずけにられば・・・との思いは展示の内容に反映されていた。

上田市の「無言館」の分室コーナーもあり、充実していた。

発達段階に応じた平和学習のあり方を模索しているとのことだったが、若き教員の研修にも十分役立つ博物館である。

dscn0322.JPG1階ロビーの「火の鳥」の壁画が「平和創造の主体者を育む」館の希望を象徴しているようだった。